心と経営の力学 【No.6】 ものづくり補助金に対する素朴な疑問③「どうすれば採択されるの?」
1)課題:こんな事で困っているだよね → 2)解決策:当社の技術を使ってこんな方法で解決すると、こんないいことがあるだんよね → 3)市場規模:実際に既存客からの注文がこんだけ増えたり、新たなお客さんもこれだけ増えそうなんだよね → 4)投資対効果:その結果、こんなに儲かって、投資もこのぐらいの期間で回収できそうなんだよね。
3)事業化に繋がる市場情報を具体的に見せる
顧客情報や公的な統計により業界や市場動向が明記し、実際に販売に繋がる雰囲気を感じてもらうことが重要です。
例)国内企業出荷台数統計によると2015年出荷台数は国内が●●台、輸出が●●台となっており 出荷額では●●億となっている。
例)●●市場における当社のシェアは●●%程度である。
4)課題を分かりやすく定量的に分析する
課題設定はストリーの起点になります。このため、課題が生じている理由や背景を具体的に分かり易く記載します。
例)段取に●●時間もかかっている。
例)現状の設備では●●の加工が直接できないため専用冶具の制作が必要となり、顧客の短納期要求に応えられない。
5)自社のメリットだけでなく、顧客のメリットも記載する
以前は自社のメリットを明記していれば十分でしたが、2年ほど前より顧客(販売先)のメリットも重視する傾向にあります。このため、顧客側にどようなメリットを提供できるのかも必ず記載します。
例)寸法精度が向上することで顧客の組立も容易化される。
例)短納期化が可能となるため顧客の在庫が削減される。
いかがでしたか? これらの5つのポイントを押さえることで、採択される可能性がグーンと高まります。最後に、実際に高評価を得た申請書の審査員のコメントを参考にご紹介します。
【高評価の審査員のコメント例】
・ 技術蓄積あり、課題および解決策が明確。
・ 事業実績に基づく提案であり、スケジュールも明確。
・ ■■のニーズの高まりにあらためて注目している点が評価できる。
・ 事業計画は全体として適切。成果と優位性も見込まれ、費用対効果は大きい。
・ 仕事のやり方が効率化され、その内容もレベルアップできるので仕事の有効性が高まる。投資額が大きいが利益規模から回収も容易と見る。
次回は、本日紹介したポイントを押さえつつ、より採択率を高めるために「逆にどんな場合に不採択になるの?」について、実際の審査員のコメント等も交えながら、お答えします。
ご不明な点があれば、お気軽にお問い合わせください。