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心と経営の力学 【No.11】 5S導入で躓かないための5つのポイント④「導入期の活動頻度を高める」

前回、5S導入で躓かない3つ目のポイントとして「例外を許容する仕組みづくり」の重要性を説明しました。

今回は、よくお受けする質問の1つ「5S活動の最適な頻度」について説明します。

5S活動の頻度を決める際に、「毎週水曜日に実施」「第2・第4火曜日の月2回実施」・・・、といった決め方をする会社がよくあります。このように曜日や頻度を具体的に設定すること自体はとてもよい事ですが、5Sの導入段階においては、将来的な事まで考慮して活動頻度を決めるのはあまり得策ではありません。

なぜなら、導入段階においては、まだ会社内に不用品が沢山ある場合が多いからです。また、日々の事業活動の中でどうしてもモノは増える傾向にあります。このような状況で、通常頻度で活動していたのでは、社内のモノをなかなか減らすことができません。また、5S活動を続けていても職場が綺麗になっていく実感が湧いてこないため、社員のモチベーションも徐々に低下していきます。

このため5Sの導入期においては、職場や会社内の不用品を、できれば3ヶ月以内、長くても半年以内に一気に処分するような頻度で活動する事をお勧めします。社内の状況にもよりますが、例えば、ある会社では活動を始めた最初の2週間は午前中をフルに使い毎日実施したという例もありました。また、平日は通常の生産や事業活動があって5S活動を集中的に行うのが難しいため、社員に休日にまる1日出勤してもらい不用品を一気に排出した、という会社もあります。

平常頻度で活動を行うのは、不用品が片付いた後です。目安としては、会社内のモノが3割~5割減ったという実感が出てきた後となります。そこまでは、高頻度で活動する必要があります。

他方、この導入段階で短期間で一気に不用品を処分するメリットがもう一つあります。それは、「大変な思いをして不用品を捨てる体験をする」ことにあります。事業活動を一時的に止めて5S活動をしなければならないフラストレーションもありますし、体も疲れます。また、以前話したように、まだ使えるモノを捨てる罪悪感を感じる方も多数います。

しかし、この活動を通して『不用品を生むこと ≒ その処分に大変な思いや労力を伴うことを全社員が身をもって体験することで、不要なモノをできるだけ生まないことを自然に心掛けはじめます。モノを購入する時は「本当に必要か?」よく吟味するようになります。また、必要なモノでも調達する量や頻度を必要最小限に留めようとします。

このような理由から、5Sの導入期においては高頻度で5S活動を行い、一気に不要品を排出することをお勧めしています。

以前、本シリーズのポイント①のコラムの中で、「5S活動の7割~8割が、最初の"整理"にある」「要らないモノを徹底的に捨てることにある」と、説明しました。この導入段階における整理が上手く出来るか? / 出来ないか? が、5S活動の導入成/否を左右といっても過言ではありません。大変ですが、ぜひ短期間で一気に不用品の排出を進めてみてください。

次回は、社員のやる気にスイッチを入れ、不用品の排出を一気に進めるために、絶対に欠かせないポイントをご紹介します。