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心と経営の力学 【No.6】 ものづくり補助金に対する素朴な疑問③「どうすれば採択されるの?」

ものづくり補助金に関して、お客様からよく寄せられるご質問にお答えします。第3回目は「どうすれば採択されるの?」です。 申請者全員が何としても採択されたいと思っているのは当然のことですが、前回ご紹介したとおり過去の採択率から予想すると、10社が応募して4社しか採択されません。 それでは、どのようにすれば採択の可能性を高められるか、について具体的にご紹介します。 1)審査項目を確実に抑える 皆さんの申請書は専門の審査員によって点数を付けられます。どんな基準で点数を付けるかについては、公募要領に明記されています。詳細については、公募要領の「審査項目」を必ず確認していただきたいと思いますが、簡単に纏めると次のようになっています。 Funding-3B このうち、特に重要なのが「2.技術面」と「3.事業化面」の内容です。要求される項目に関する記載がなければその項目は0点となります。ですから、採択されるためには確実に要求情報を網羅する必要があります。 2)中学生でも分かるような言葉でストリー化する 1つの申請書を複数(4人程度)の審査員が個々に審査します。ある専門性を有していると言っても、当該事業の専門家とは限りません。例えば、「精密加工」に関わる申請書を「IT関係」の専門家が審査することは十分あり得ます。むしろ、複数の審査員のうち必ず1人は専門外の審査員が含まれていると考えた方が妥当です。 このため、業界では常識だったり、よく使われる専門用語であっても、注釈として説明を加えるか、一般的に通じる用語を選ぶ必要があります。ちなみに審査員は大量の申請書を短期間で審査しますから、「分からない用語は調べてくれるだろう?」なんて期待は誤っても持たないでください。もし専門外の審査員に伝わらなければ、その方の評価は当然低くなります。 また、全体の内容を素早く理解してもらえるように、申請内容をストリー化することが重要です。例えば、次のようなイメージです。審査項目に関連するような項目を設定して、その項目間が自然と繋がるように書きます。
1)課題:こんな事で困っているだよね → 2)解決策:当社の技術を使ってこんな方法で解決すると、こんないいことがあるだんよね → 3)市場規模:実際に既存客からの注文がこんだけ増えたり、新たなお客さんもこれだけ増えそうなんだよね → 4)投資対効果:その結果、こんなに儲かって、投資もこのぐらいの期間で回収できそうなんだよね。
3)事業化に繋がる市場情報を具体的に見せる 顧客情報や公的な統計により業界や市場動向が明記し、実際に販売に繋がる雰囲気を感じてもらうことが重要です。
例)国内企業出荷台数統計によると2015年出荷台数は国内が●●台、輸出が●●台となっており 出荷額では●●億となっている。 例)●●市場における当社のシェアは●●%程度である。
4)課題を分かりやすく定量的に分析する 課題設定はストリーの起点になります。このため、課題が生じている理由や背景を具体的に分かり易く記載します。
例)段取に●●時間もかかっている。 例)現状の設備では●●の加工が直接できないため専用冶具の制作が必要となり、顧客の短納期要求に応えられない。
5)自社のメリットだけでなく、顧客のメリットも記載する 以前は自社のメリットを明記していれば十分でしたが、2年ほど前より顧客(販売先)のメリットも重視する傾向にあります。このため、顧客側にどようなメリットを提供できるのかも必ず記載します。
例)寸法精度が向上することで顧客の組立も容易化される。 例)短納期化が可能となるため顧客の在庫が削減される。
いかがでしたか? これらの5つのポイントを押さえることで、採択される可能性がグーンと高まります。最後に、実際に高評価を得た申請書の審査員のコメントを参考にご紹介します。 【高評価の審査員のコメント例】
・ 技術蓄積あり、課題および解決策が明確。 ・ 事業実績に基づく提案であり、スケジュールも明確。 ・ ■■のニーズの高まりにあらためて注目している点が評価できる。 ・ 事業計画は全体として適切。成果と優位性も見込まれ、費用対効果は大きい。 ・ 仕事のやり方が効率化され、その内容もレベルアップできるので仕事の有効性が高まる。投資額が大きいが利益規模から回収も容易と見る。
次回は、本日紹介したポイントを押さえつつ、より採択率を高めるために「逆にどんな場合に不採択になるの?」について、実際の審査員のコメント等も交えながら、お答えします。 ご不明な点があれば、お気軽にお問い合わせください。