心と経営の力学 【No.53】 AIで分身が簡単に作れる時代!だからこそ重要なこと・・?
日々、もの凄いスピードで進化していくAIの性能や新機能に興奮しています。
Chat GPTがリリースされてから約1年、文章のみならず、イラストや音楽、動画までもがAIで簡単に作れるようになりました。
これは、単なる技術進歩ではなく、私たちのビジネスや生活を根底から大きく変えていくのは間違いありません。
実際に、つい先日も芥川賞作家(九段 理江氏)が、AIを活用しながら執筆したことを公表して話題になりました。
また、多くのビジネスマンが使っているマイクロソフトOfficeにもAIが搭載され、ワードの文章のアイデア出しや校正、エクセルのデータ分析、パワポのスライド作成、チームスの議事録作成・・等が簡単にできるようになってきました。
まさに、日進月歩のAIの進化ですが、そんな中、特に注目していることが2つあります。
この2つを使えば、実用的な誰かのデジタル分身を簡単につくれるようになります。
昨年、中国でビデオ通話も可能な「バーチャル故人」が制作され物議を醸しましたが、ここまでリアルといかなくても、質問に答えてくれる「社長のデジタル分身」、「部長のデジタル分身」、「ベテラン技術者のデジタル分身」、「凄腕営業マンのデジタル分身」・・・などが簡単につくれます。
これを可能にした1つ目の要素が、プログラムを書かなくても、オリジナルのチャットボット(自動会話プログラム)が誰でも簡単に作れるようになったことです。
これは、Chat GPT が新たな機能としてリリースした「GPTs」で簡単に実現できます。
例えば、現在募集中の「ものづくり補助金」の内容に簡単に答えてくれるチャットボットをテスト的に作ってみました。次のような僅かな手順で簡単に作れちゃいます。
1)情報源の指定
情報現となるファイルをアップロードして、チャットボットをつくりたいことを伝える。
すると、左図のようにアイコンのアイデアを提案してくれます。
2)アイコンの修正
アイコンの修正案を伝えると、その要望に沿って修正してくれます。
3)受答えスタイル指定
どんな形で受け答えしたいかスタイルやルールを指示します。
これで、一旦完成です。
※実際に使って気になるところは、改良を追加指示できます。
4)公開範囲の選択
作成したプログラムの公開範囲を、次の3つから選択します。
①プライベート / ②リンクを知っている人のみ /③公開
こちらが実際に出来上がったチャットボット(プログラム)です。もし、よければ使ってみてください。(※Chat GTPの有料版(GPT4)の契約が必要です)
ちなみに、予め学習しておくのではなく、質問を受けてから情報源を参照し、回答をつくる動作をしているらしく、スピードと精度にまだ課題はありますが、日進月歩のAIの世界なので、これもすぐに改善されると思われます。
一方、チャットボットを作るためには、その受け答えのもととなる情報源(学習データ)が必要となります。
経営方針や経営計画、あるいはマニュアルやルール等をもともと文書化している企業はスムースに対応できますが、そんな企業ばかりではないはずですよね。
また、日常のちょっとした会話やOJTの中にも有効な情報が沢山含まれていますが、これらをいちいち文書化するなんてことはしません。
こうした、課題を解決してくれそうなのが「PLAUD NOTE」と呼ばれるAIボイスレコーダーです。これまでも、同様の機器はありましたが、音声認識の精度やテキストへの変換スピード、そのサイズ感に課題がありました。
「PLAUD NOTE」は、そうした課題を一気に解決してくれ、さらに要約やマインドマップなども同時に生成してくれます。
実際に入手して、昨日訪問したお客さんとの雑談を録音して試してみました。
音声認識から文字認識の精度は95%以上ある印象で実用性は十分です。
また、名刺より小さく厚さも2mm程度なので、ポケットに入れたり、スマホにも簡単にセットできます。
ちなみに、「取得したデータを無断で学習利用することはない」との規約もあるので、安心して利用できます。
こうして、「PLAUD NOTE」で得た情報を、先ほどのチャットボットの情報源(学習データー)として利用すれば、誰かの分身が簡単につくれるというわけです。
また、ベテラン営業マンの顧客との会話、製造現場のベテラン職人の指導など、これまでベールに包まれていた知識(暗黙知)を表出(形式知化)して、共有することも簡単にできるようになります。その他、さまざまな応用範囲が考えられます。
本当に凄い時代になりました。こんな時代に生まれたことをあらためて感謝しています。
一方、こんなに簡単にデジタル分身が作れる時代になったからこそ、「自分が何を望み」、「物事をどう考え」、「どう言葉にするか」、を常日頃から整理しておくことが益々重要になるのは間違いありません。
そういった意味で、経営者やリーダーの責任は一層大きくなっていきそうです。
あなたは、自分の思考や言葉に責任を持っていますか?
と言っても、どこから始めれば良いか分からない方のために、次のような勉強会(無料)を月1回行うことにしました。
『人を真に活かすためのAI活用研究会』
●内容
・AIの最新情報の紹介(20分)
・AIの活用事例や実際の操作方法の説明、Q&A(30分)
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●日時:2/8(木) 18:30~20:00
※毎月第2木曜開催 次回3/14(木)
●開催場所:Zoom(無料)
※開催URLは、お申込みいただいメールアドレスに別途送付いたします。
興味がある方は、ぜひ次のリンクからお申し込みください。
また、質問や感想などがあれば、お気軽にこちらまでメッセージください。