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心と経営の力学 【No.1】 「ものづくり」の本当の意味

本日から、「未来を創造する経営視点」と題して、経営者の皆さまに向けた応援コラムをスタートします。経営に役立つ有益な情報を発信していきますので、ご活用いただければと思います。

初回は「ものづりくり」の本当の意味についてです。

『日本は"ものづくり"の国だ』 『日本の"ものづくり"をもう一度強くする必要がある』...よく聞かれるこの"ものづくり"という言葉。本当はどんな意味かご存知でしょうか? 私が最初にあう経営者や管理者の方によくさせていただく質問です。

あまりに単純な質問に、「えっなんで今さらそんな事聞くの?」と少し困惑しながら「部品を加工すること」「製品を組み立てること」「品質を高めること」...といった答が返ってきます。

たしかに、普段話したり、聞いたりする中で使われる”ものづくり"という言葉は、実際に製品を製造したり、その製造プロセス上の何かを指すことが殆どです。しかし、それは狭義であって本来の意味としては不十分です。

この"ものづくり" という言葉、全てひらがなで構成される大和言葉(やまとことば)であることにお気づきでしょうか。しかも、1つの単語ではなく、"もの"+ "つくり"の2つから成り立っています。

ものづくりとは

まず、"もの"の方は「"もの"がたり」「"もの"おもい」「"もの"のけ」...等で使われる"もの"と同じ意で、頭の中で行うイマジネーション・想像の作業です。 つまり、こんなモノやサービスがあれば「楽しいんじゃないか」「便利なんじゃないか」「困り事を解決できるじゃないか」...と、イマジネーションしながらアイデアをより具体的に創りあげていく段階です。

次に、"つくり"の方は、そのアイデアを実際に提供できる製品・商品・サービスとしてかたち造る段階のことです。

多くの場合、後ろの方だけを指して、"ものづくり"という言葉を使っていますが、本来は両方の意、プロセスを包含しています。 そして、製造業にしてもサービス業にしても、"もの"と"つくり"の双方が強くないと本当によい"ものづくり"は絶対にできません。

製品やサービスを設計・開発した"創り手"がアイデアやその意図を、実際に製品を製造したりサービスを提供する"造り手"にきちんと伝えること、そして"造り手"はその意図を深く理解するように努め、製品やサービスをよりよくするためのアイデアや、カイゼン点を"創り手"にフィードバックすること。この創り手、造り手の双方がお客様を思い、その責任を果たすレベルに応じて貴社の"ものづくり"力は決まります。

貴社では、本質的な"ものづくり"力を磨き、強くするための努力をどのぐらいしていますか?